ビンさんは、保守派が多いと云われる東北出身であるものの、珍しく革新派です。
メーデーには欠かさず参加しています。
彼の所属する会社は、組合活動にのめり込むビンさんを快く思っていません。
そんなことは全く意に介さないビンさん、今日も通勤電車に揺られています。
事務所までは、およそ一時間の道のりです。
東京では、まぁ平均の通勤時間でしょう。
車内は乗車率200%を超えています。
ビンさんは吊革に掴まり、噴き出す汗を拭おうともせずに、必死で新聞を読んでいました。
『お疲れさまです。あと三駅の辛抱ですね、ビンさん!』
ビンさんは混んだ車内で新聞を丸め始めました。
どうやら読み終えてしまったのかな?
「おぉ、赤旗ァみづけェからのぉ」
(赤坂見附-14.05.03)

  渋谷方面
   
   
 浅草方面