「深野くん、なんでアタシたち、縁台に腰を降ろしてるの?」
「その飛躍がこの噺のいぃところだぁな」
「そんなもんかしら」
「いぃから縁台と云やぁ、出しなアレ」
「アレ〜〜〜ッ! って?」
「ノリがいぃぢゃねぇか。って、冗談云ってねぇで、縁台と云やぁ将棋に決まってンだろ」
「そうだったわね。深野くんの趣味…はぃ」
「こう…やって…駒を…並…べ…て…並べ方はもう覚えたよな」
「任せて! 深野くん」
「その君づけは止めてくんねぇかなぁ」
「あら? だってぇ、小学校の時から呼び慣れてるンですもン」
「おいおぃ!」
「はぃ!?」
「違うだろ、その桂馬の場所」
「えっ?」
「なぁ加納、飛車が上、なンだょ」

深野くんと加納さんは、抜き差しならぬ関係です。
『深野くんと加納さん-2』

(中野
坂上-14.10.29)

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