「先輩、今日も行くんですか」
「当たり前だ!」
伴刑事は燃えていた。
とは云っても、今回は犯人逮捕の話ではない。
伴刑事は最近、キャバクラ通いに夢中なのである。
「よくそんなに小遣いが続きますね」
「そこは上手くやっとる!」
「経費で落としてるなンて…」
「バカモン!!」
「す、すんません」
「オレがそんな不届きなマネをすると思っていたのか!」
「い、いぇ…そんなことは…」
「分かればいぃ」
「それで、先輩、お気に入りはやっぱり最初に隣りに座ったあの娘ですか」
「ん? いや、まぁ、その…ビビビと来ちゃったんだなぁ」
照れまくる伴刑事であった。
「相当お熱ですね。あ〜、真っ赤になっちゃって!」
「オレをからかっているのか!?」
「いやぁ、そんなつもりは…」
「つまらん男の相手などしている暇はない。そろそろご出勤だ」
「先輩、小遣いもそうだけど、そのテンションもよく続きますね」
「当たり前だ。オレはこうと決めたらひたすら突き進む性格だ」
「先輩はロッポンギだからなぁ」
「ん? なんだぁ?? それを云うなら一本気だろ!!」

(六本木-14.07.14)

 青山一丁目

   
   
 麻布十番