「オレの活躍もこれが最後か…」
「伴刑事ぃ! 何たそがれてるンですかぁ?」
「ん? ここは横濱か?」
「えっ!?」
「あ、いや…、まぁ、な」
「そんなもったいぶってないで教えてくださいよぉ」
「オマエとこうして張り込むことも、もう暫くないってことだよ」
「へぇ〜、そうなんですかぁ」
「何だ、オマエは寂しくなさそうだな」
「よっく分かりませ〜ん」
「まったく、何てヤツだ」
「だってぇ」
「オマエには惻隠の情なんてものは持ち合わせておらんようだな」
「ソクインノジョウだなんて、伴刑事ったらイヤラシィ〜〜!」
「何を勘違いしてるんだ」
「えっ?」
「オマエ、失業するんだぞ」
「そ、そうなんですかぁ?」
「まったく、リアル感のない男だ」
「伴刑事ぃ〜、ヘンに英語を混ぜないでくださいよぉ」
「おっ? ちゃんと思考能力はあるようだな」
「そんなことより伴刑事ぃ〜、お腹空きましたよぉ〜」
「我慢しろ!」
「ガマンって何ですかぁ? 子供の時からしたことありませ〜ん」
「こいつ…」
「伴刑事ぃ、あそこにラーメン屋がありま〜す」
「しかたない。最後だし、少しくらい大目に見てやるか」
「わぁ〜ぃ! 伴刑事、急ぎましょう」
「お、おぃ! いきなり走るな」
 ◆ ◆ ◆
「はぁはぁ!」
「お、おぃおぃ! いっぱいぢゃないか」
「お腹空いたぁ!」
「おぃったら! 他にもお客さんがいるんだぞ」
「ジャマだ、ジャマだ! ボクたちは警察のモンだぞ」
「おぃ! 職権乱用はよせ」
「そこのアナタたち、警察です。そこをどきなさい」
「おぃったら」
「は?」
「空くまで待ちな…」

(赤羽橋-15.01.15)

「伴刑事ぃ〜! 最後の駄洒落がその程度ですかぁ?」
「許せ! オレも疲れてるんだ。次のシリーズは何とかするから…」

  麻布十番

   
   
   大門