ムネヲちゃんとマキコちゃん、今日はおそろいのリュックサックを二人して背負って…
いえ、ムネヲちゃんがマキコちゃんの荷物をぜ〜んぶ持ってやって…いえ、持たされていました。
手をつないで降り立った駅は、登山客にはつとに有名です。
そう、二人は今日、紅葉狩りがてら、お山登りにやってきました。

「ふぅふぅ=3 マキコちゃんも、ちゅこちは荷物持ってくれまちぇんかぁ」
「やぁだぁ〜。だってムネヲが全部持つって約束だったぢゃな〜ぃ」
「はぁはぁ=3 ちょ、ちょうでちゅけど…」
「ムネヲさぁ、もういい加減にその赤ちゃん言葉やめたら?」
「嫌いでちゅかぁ?」
「気持ち悪いんだもん」
「ワタシはですね。世間さまに云われるような」
「変わり過ぎぃ〜。もうムネヲったら〜」
「アハハハ、そうでちゅね〜」
「オマエはデジタルみたいなヤツだなぁ」
「は?」
「中間はないのぉ?」
「ごめ〜ん、マキコちゃん」
「ねぇ、それはそうと、まだぁ?」
「ん、ぢゃぁこのへんでお昼にしましょうかね、マキコちゃん」
「わぁ〜い、お弁当だぁ」
「はぁ=3 はぁ=3 ……」
ムネヲちゃんは二人分のリュックと水筒をようやくおろしてホッとしています。
「ささ、マキコちゃんはここに座って」
レジャーシートを素早く広げ、相変わらず甲斐甲斐しく世話をやくムネヲちゃんです。
「今日はサンオイル持ってきてないわよね」
「まさか、マキコちゃん。ここは山だよぉ」
「そうだよね〜」
「いぃ眺めだね、マキコちゃん」
「ほんと〜」
「心が洗われますね、マキコちゃん」
「ねぇちょっと静かに…」
「えっ!?」
「シーーッ 聞こえなぃ?」

シーーン シーーン シーーン……

「エコーだわ」「エコーだわ」「エコーだわ」………

(新江古田-14.10.19)

注:江古田=エコダともエゴタとも諸説ある。

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