♪鴨〜の河原ぁに〜 千鳥が騒ぐぅ〜

その日、壬生の浪士たちは、朝から盛り上がっていた。
何でも、彼らの写真を撮るらしい。

「おぃ、土方! 次はお前の番だ」
近藤勇が声をかけた。
だが気乗りしない土方は憮然としている。
まさか魂を吸い取られるなどと思ってはいないだろうが。

「少しは笑ったらどうだ」
近藤が茶々を入れる。
「(フンッ! 可笑しくもないのに、ケタクソ悪い)」
土方はいっそう、しかめっ面をした。
「(武士たるものは、ニヤニヤと歯を見せるものではない)」

「お〜ぃ、君たちも仏頂面の土方のヤツをなだめてくれんか」
近藤は、集まった浪士たちに声をかけた。
中から、沖田が進み出た。
彼は何を思ったのか、Vサインを土方に向けた。
「いぇ〜〜〜ぃ! 副長!!」

(永福町-15.07.20)

西永福


明大前