「伴刑事ぃ〜、しばらくぶりですね〜」
丼飯を音をたてて掻きこむ伴刑事が振り向く。
「おぉ! 新人! 元気だったかぁ!?」
「まぁ何とか、はぃ」
「おぃ、すまんがお代わりをよそってくれんか」
伴刑事が丼を突き出す。
「はい! 大盛りですね」
「いちいち訊くな! 決まってるだろぅ。男子たるもの、メシをそんなチマチマ喰えるか!」
彼はご飯のたっぷり盛られた丼を受け取ると、またもや勢いよく頬張り始めた。
その喰いっぷりは、惚れ惚れするくらいにダイナミックである。
「このところ出番がなかったからなぁ。お前も喰わんか?」
「はぁ、ボクは…」
「遠慮することはないんだぞ」
「いやぁ、お腹も空いていませんし、けっこうです…」
「これからまたオレたちの出番がやってくるからな、たっぷり喰っておかんと身が持たンぞ」
「だってオカズもないし…」
「オカズ? そんなもん、これで十分だ!」
伴刑事は、唐辛子色の鱈子のひと腹を湯気の立つ丼飯の上に載せた。
「ハグハグ」
「すっごい食欲…」
「おぃ! ホントに喰わんかぁ? 明太…ん…まぃぞ〜! やっぱ明太は博多んモンがうまかばってん、最高やね〜!!」

「伴刑事はいつから九州モンになったんだろ…」

(明大前-15.07.02)

永福町


東松原