眠りから覚めたマキコちゃん、腰を叩いて渋い顔です。
「あ〜、腰が痛いわぁ…」
「どうしたんでちゅか? マキコちゃん」
「ん! 誰?」
「ボクでちゅ」
「ムネヲ! どうして寝室にまで入って来るのよッ、気持ち悪いわッ。出ていって!」
「気持ちが悪いだなんて、そんな酷いでちゅ」
「いぃから出ていって!」
いつもムネヲちゃんには冷たいマキコちゃんなのです。
「腰が痛いんでちたら、ボクが揉んであげるでチュ〜」
バシッ!!

★〜☆〜★〜☆〜

ヒョットコのように口を突き出していたムネヲちゃんの目の前に星が飛びました。
「痛いでチュ〜」
「ちょっと、アタシの身体に汚い口つけるなんてやめてよ!」
「汚い口だなんて、ボクはマキコちゃんに逢う時はちゃんとエチケットライオンで30分も歯を磨くんでちゅよ!」
「何分磨いたって汚いヤツは汚いの!」
「う〜…酷いでチュ〜」
「しつこいよ、ムネ…痛タタタタ…」
「痛いでちゅか」
「大きな声出したらもっと痛くなっちゃった」
「ボクに優しくしないからバチが当たったでチュ〜」
「フンッ! そんなんでバチなんか当たってたまるもんですか!! 痛タタタ…」
「しょうがないマキコちゃんでちゅね」
「何すんだよ、ムネヲ!」
「マキコちゃんは、ボクがいないとダメなんでチュ〜」
ムネヲちゃんは右肩にたすきがけにしたピンク色のバッグから何やら取り出しています。
「ちょっと、クンクン」
鼻を膨らませるマキコちゃんです。
「さぁ、お嬢ちゃん、お腰を見せてご覧なちゃ〜ぃ」
またもや緩みきった顔になったムネヲちゃんです。
「ちょっと、な、何すんのよ、止めてったら、や、め、て!」
腰が痛くていつもの強気のマキコちゃんではありません。
「ちょっと横になるだけでちゅよ〜」
それを幸い、強引に横に倒すムネヲちゃんです。
「クンクン…」
「さぁ、コレをお腰に貼ればス〜ッとラクになりまちゅからね〜」
「クンクン…この婆臭さは…」
「ペトッと貼りますからね〜」
「湿布? いやぁぁぁぁ〜ん………」(FO)

(渋谷-15.02.05)


神泉


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